ミュンヘン

『ミュンヘン』
Munich


Munich


製作 キャスリーン・ケネディ / バリー・メンデル / スティーブン・スピルバーグ / コリン・ウィルソン
監督 スティーブン・スピルバーグ
脚本 トニー・クシュナー / エリック・ロス
原作 ジョージ・ジョナス
撮影 ヤヌス・カミンスキー
美術 リック・カーター
音楽 ジョン・ウィリアムズ
衣装 ジョアンナ・ジョンストン
特撮 グレゴワール・ドゥラージュ / ジョス・ウィリアムズ / パブロ・ヘルマン
出演 エリック・バナ / ダニエル・クレイグ / サイアラン・ハインズ / マチュー・カソヴィッツ / ハンス・ツィシュラー / アイレト・ゾラー / ジェフリー・ラッシュ / ジラ・アルマゴル / マイケル・ロンズデール / マチュー・アマルリック / モーリッツ・ブライブトロイ / ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ / メーレト・ベッカー / マリー・ジョゼ・クローズ / イヴァン・アタル





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本年度のアカデミーノミニーが発表になった翌週の公開。もちろん売り文句には『シンドラーのリスト』を引っ掛けてモチーフ(ジューイッシュ=ユダヤ人が主人公)、格式(再びオスカーか?)と持ち上げたコメントが並ぶ。

しかし、素材は同じでも、映画が僕たちに伝えるベクトルは『シンドラー~』とは全く逆。

オスカー・シンドラーが「国家の威信に逆らい、すべてを救おう」としたのに較べ、アヴナー(本作主人公)は「国家のメンツにかけて、すべてを抹殺しよう」とする。

もちろん、この作品も『シンドラー~』同様、圧倒的な迫力、止めどなく押し寄せるスリルで観客を魅了します。
スピルバーグが織りなすパワー、“映画力”にただただ感服。
ただ、正直ボクは、『シンドラー~』の時のように「この作品、オスカー獲って欲しい!」とは思えなかった。感動と感服は違う。決して「“ハッピーエンド”だから感動する」というわけやないけど、感動の度合いに個人差が出る作品のような気がする。ボクは感動できなかったんや。

シンドラーは「死して英雄」となったのに対し、アヴナーは「歴史の中に抹殺」され、自らのアイデンティティも崩壊していきます。

当然、復讐の連鎖の延長線上には平和は決して訪れることはないんですから。


(2005/アメリカ作品)


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